希硫酸を希釈して使うのが面倒です

▶3つの方法で対応。

原水がpHの場合には希硫酸を使用するのが一般的ですが、そもそも希硫酸の定義とは、

濃硫酸:質量パーセント濃度が90%以上の硫酸水溶液

希硫酸:質量パーセント濃度が90%未満の硫酸水溶液

になります。

広く流通している希硫酸の濃度は75%前後ですが、この濃度でpHを中和しようと思うと、中性を通り越し、酸性へ傾いてしまう可能性があります。

片側制御のpH中和装置だと、一旦酸側へ傾いたpHは中性に出来ずそのまま放流、という最悪の事態を引き起こしてしまいます。

pH電極で原水pHを読み取り、薬液注入ポンプで注入しますが、そのタイムラグの為に注入は少しづつ、細かく(かつ、処理量が確保できるよう)行います。

希釈は水と希硫酸を混ぜ合わせ行いますが、その際に気を付ける点は2点です。

■必ず、水から先にタンクに張り、その後で希硫酸を入れる

 ※逆に行うと爆発します。

■希釈は急激に行うと、温度が急上昇するので、ゆっくりなるべく濃度は薄く行う

もし上記運用が難しい場合、以下の方法があります。

① 中和剤を希硫酸から塩酸などに変える

② 希硫酸を原液で打ち込む。(但し、薬注ポンプの変更が必要)

③ 希硫酸の濃度が低い物をメーカーから購入する(ランニングコストが上がる可能性あり)

 

▶中和剤の注入に。電磁定量ポンプがお勧めです

希硫酸を原液で注入したい際などに活躍する定量ポンプです。

1ストロークが短く、1ショットの間隔が短いので、細かく注入したい場合に向いています。

接液部もPTFE(PVDF)をラインナップしているので原液の注入でも安心して稼働します。