いろいろな分野のpH

 

あらゆる分野で「pH」は必要

ここまでpHについて解説してきましたが、実際にどのような分野でpHは単位の指針として計測や調整をされているのでしょうか?

あらゆる流体には水素イオン濃度がありますが、全て中性であれば「良い」とは限りません。

ある分野では弱アルカリが良しとされ、ある分野では強酸液が必要とされます。

後述しますが、排水においては中性域にして放流という決まりがあります。

それでは様々な製品を作るうえでpHはどのような役割を果たしているのか見ていきます。

 

農作物のpH値

植物の生育とpHは非常に密接な関係があります。

植物には種類によって個々の生育に適したpHがあり、農作物の育成管理に土壌及び農業用水などのpH測定が重要です。

また、水耕栽培でも培養液のpH測定は不可欠です。例として下に代表的な作物の最適な生育pHを記載します。

 

食品業界のpH値

一般的な食品では、pH値は味や安全性を測る単位と使用されます。

それぞれの食品には最適なpH値があり、異常に高くなったり低くなったりすると、味や安全性に問題があると判断されます。

大量生産されるような食品では常にpH値が監視され、安全で均一な製品が供給されるようになっています。

食品業界の中でも最もpH測定が重要とされる業界は「酵素作用」が重要とされる業界です。

例えば酒やビール、パンや醤油、チーズや乳製品などの製品です。

酵素作用はそれぞれ一定のpHにおいて最も効率よく発酵が行われる為、シビアに管理調整が行われます。

 

表面処理業界のpH値

金属の表面に科学的な反応を作用させる表面処理業界では、腐食反応を伴う処理を行う際の目安としてpHを計測します。

表面処理をする際は、表面処理液を満たした槽へ対象製品を浸漬させ、化学変化を起こしますが、回数が増してくると、処理液自体に変化が生じます。

表面処理液は濃度が高ければよいというものでもなく、高すぎると表面以外も傷んでしまう可能性があります。

濃度が低すぎると処理を行う際の効果が十分に得られない為、その指標としてpHが用いられます。

pHが一定の状態になるように濃度管理を行い、薬液の濃度が低く示されたならば交換または補給などを行い、蒸発などにより高濃度になった際には給水をして薄めるといったように制御します。

このように、様々な業界でpHは品質の管理に使用されています。

事項ではpHを高くしたい、もしくは低くしたい際に使用される「pH調整剤」について解説していきます。

 

 

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