中和処理(pH中和処理)とは

酸の水素イオンH+と塩基の水酸イオンOH-とが反応して水を生成することを中和反応といいます。

H++OH-⇒H2O

代表的な中和反応としては塩酸HCℓに水酸化ナトリウムNaOHを加えて塩化ナトリウムNaCℓと水を生成させる反応があります。

HCℓ + NaOH ⇒ NaCℓ + H2O

(塩酸) + (水酸化ナトリウム)⇒(塩化ナトリウム)+(水) 

 

⇒中和反応の際、水が生成されるとともに塩が生じます。

塩とは

1. 酸とアルカリが中和したとき、水と共に生じる物質です。

2. 酸のH+になる水素原子を金属またはアンモニウム基で置換した形の化合物。

  (例)HCℓ⇒NaCℓ、H2SO4CuSO4

3. 塩基の水酸基(OH)を酸基(酸の陰イオンとなる部分)とを置換した形の化合物。   

  (例)NaOH⇒NaCℓ、Cu(OH)2⇒CuSO4

塩の種類

塩の種類にはどんなものがあるかを簡単に説明します。

 1. 正塩(中性塩) 酸の水素原子が全部金属で置換された形の塩で、分子の中にH+となる水素原子も、水酸基OHも含まない塩。酸とアルカリ(塩基)が完全に中和したときにできる塩。

(例)2HCℓ+Ca(OH)2⇒2H2O+CaCℓ2 (塩化カルシウム)

 2. 酸性塩 酸の水素原子の一部が金属で置換された形の塩で、分子中にH+となる水素原子を含む塩。 酸が過剰のときにできます。

(例)H2SO4+NaOH⇒H2O+NaHSO4   (硫酸水素ナトリウム)

 3. 塩基性塩 塩水酸基の一部が酸基で置換された形の塩で、分子中にOH-となる水酸基を含む塩。塩基が過剰のときにできます。

(例)Ca(OH)2+HCℓ⇒H2O+Ca(OH)Cℓ (水酸化塩化カルシウム)

これらの塩の水溶液の性質は、必ずしも中性ではなく、加水分解によってできる酸とアルカリ(塩基)の強い方の性質を示します。

加水分解とは

塩の加水分解について簡単に説明すると、塩が水に溶け、水の分子と反応して、酸とアルカリ(塩基)に分かれる反応のことです。

塩+水⇒酸+アルカリ(塩基) (例)Na2CO3+2H2 O⇒H2 CO3+2NaOH

なお塩の加水分解反応は、中和反応の逆反応で、酸とアルカリ(塩基)が中和するときの中和反応と加水分解の反応が平衡になります。

(例)CH3COOH+NaOH CH3COONa+H2O

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