pHの制御


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pHの制御の概要

工場等の廃水の多くは、酸性またはアルカリ性を示します。 そして酸性廃水にはアルカリを、またアルカリ性廃水には酸を加えて中和し、pH値が排出基準内に入るように調整しなければなりません。

また中和以外にも特定の成分を除去したり、ある成分を正確に測定したりするためにpH制御剤を使用してpH値を制御することがあります。

このような一連の作業を「pH制御」と呼びますが、こうしたpH制御を効率良く行うためには、pH計による信頼度の高いpH測定が重要です。

 

pH制御の行われる主な目的としては、

 1. 排出基準に適合させる。 廃水を公共水域に放流するときはpH値は下記の範囲でなければなりません。

・海域以外の公共水域pH5.8~8.6

・海域pH5.0~9.0

一般には廃水のpH値をpH中和剤を使って調整することが行われます。

 2. 廃水処理の容易化をはかる。

廃水処理を容易化または促進する目的でpH制御が行われます。

・六価クロム除去の場合

硫酸等でpHを2~3にしてクロムの3価還元を行い、フロック形成しやすいようにpH7.5~10前後にアルカリ化し、沈殿除去します。

・エマルジョン破壊の場合

エマルジョン化(乳化)した油脂を、浮上その他の物理的処理で除去するために酸を加えてエマルジョンを破壊します。

3. 温度計による測定の信頼性を向上させる。

残留塩素計など正確な濃度を測定するには、pHを所定の値に調整してやり、外乱条件を取り除いてやることが必要になります。

4. 貴金属類の除去

重金属の中には一定のpH範囲で水に不溶性の化合物を形成させることによって、容易に除去できるものがあります。 これらの重金属を取り除きやすくするため、pH制御を行うことがあります。

 

pH制御【廃水の処理】

1. 廃水とその及ぼす影響

工場廃水はその工場の生産物やプロセスの内容により、さまざまな成分を含みます。

・酸性廃水を生じる工業 ・化学工業(ヨード、活性炭、燐酸肥料等の製造工場、メッキ工場など) ・食品工業(発酵、デンプン、製あん工場など)

・アルカリ性廃水を生じる工業 ・化学工業(生コン工場・アンモニア肥料、ソーダ工場、メッキ工場など) ・食品工業(洗びん工場など)

 

また、これらの廃水は下記のような種類の悪影響を及ぼします。

①公共用水域に及ぼす影響 ・飲料水、水道水源の汚濁、水産物に対する悪影響、かんがい用水の汚濁

②下水管その他の施設、機具の腐食

③廃水処理施設の機能破壊

 

pH中和剤

pH中和剤には、酸性廃水を中和するためのアルカリ剤とアルカリ性廃水を中和するための酸があります。

・酸性廃水を中和する場合 (例)H2SO4+2NaOH=Na2SO4+2H2O

・アルカリ性廃水を中和する場合 (例)NaOH+HC=NaCℓ+H2O

制御剤の選択 制御剤にはそれぞれ特色があり、用途に応じて適切なものを選定する必要があります。

 【価格】

NaOHは水に対する溶解度が高いことや、反応後のスラッジ生成がすくないなど、優れた性能をもっていますが、生石灰に比べて4倍近いコストとなります。(スラッジ処理のコストと比較検討が必要です。)

 また、溶解度 溶解度の高いもの程使用には便利です。NaOH、Na2CO3などは水によく溶けますが、石灰類は溶解度が極めて低いので、スラリーとして使用しなければなりません。従って、ポンプを選定するにあたっては、洗浄ラインを設けたり、立ち上り配管を避けるなどの対策が必要です。