
日常生活ではあまり意識しないけれど、水に関わる重要なキーワード、「廃水」と「排水」の違いについて解説します。
「どっちも使い終わった水のことじゃないの?」
そう思った方、けっこう多いのではないでしょうか?
でも、実は意味も使い方も違うんです。
「排水」とは?
「排水」とは、家庭や工場、ビルなどから“外へ出される水”のことを指します。
たとえば、洗面所で手を洗ったあと、水が排水溝から流れていきますよね?あれが「排水」です。
例:
・家のトイレやお風呂から出る水
・ビルや工場から出る生活排水や雨水
・処理済みの廃水を、川や下水に流すときの水
つまり、「排水」は“流し出す行為”や“流される水”のことを指す言葉で、実は排水の水は必ずしも汚いとは限りません。
「廃水」とは?
一方で「廃水」は、使用後に汚れてしまい、処理をしなければそのままでは流せない水を意味します。
読み方は「はいすい」ですが、字を見てわかるとおり「廃(すた)れた水」、つまり“もう使えない水”というニュアンスです。
例:
・工場で製品を洗った水
・食品工場で出た油を含む水
・化学薬品を使ったあとの水
特に、化学薬品を使用する製造工程で出る水や、強い酸・アルカリを含む水などは、そのままでは環境に悪影響を及ぼしてしまいます。
これらの“廃水”は、排水として放流する前に適切な処理(=中和処理など)が必要なのです。
■ 違いまとめ
項目 | 排水 | 廃水 |
意味 | 外に排出される水 | 作業などで汚れた水 |
状態 | 処理後 or 自然な水 | 未処理、汚染された水 |
主な処理 | 放流前の最終チェック | 中和・除去・分解など |
例 | トイレの水、雨水、処理済みの水 | 酸性の工場排水、油を含む洗浄水 |
なぜ「中和処理」が必要なの?
工場や研究所などの工程から排出される水の多くは、pHが酸性やアルカリ性に偏った状態であることが少なくありません。
このような水をそのまま流してしまうと:
- 法律で定められた排水基準(pH5.8~8.6)に違反
- 下水道や水路を腐食させる恐れ
- 微生物処理設備(活性汚泥)への悪影響
- 河川や地下水の水質汚染
つまり、pHを適正な範囲に戻す「中和処理」は、法令遵守・施設保護・環境保全の観点から、極めて重要なのです。
日本の「水質汚濁防止法」などでは、排水のpHについて明確な基準があります。

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